第5話 そばの栄養学

昔、行者、修験者と呼ばれる人たちは、「そば粉」を携えて修行へ行き、厳しい荒行を行っていたそうです。
また、日本最古の医学書「医心方」には、「そばは、五臓の汚れた垢を洗い流して、精と神をつなぐ」とあるそうです。
そんな栄養に優れた「そば」の成分を紹介しましょう。
米や小麦などの穀物は、その栄養分のほとんどがデンプンでできています。そばの主成分も同様ですが、そばの粒子は細かく煮やすく消化も大変よいといわれています。
そばが他の穀物と比べ、特徴的なのは、
一つは「アミノ酸」です。そばには、良質のアミノ酸が豊富で、特に、子供たちの発育に役立ちます。ビタミンB1、B2の含有量もお米の約3倍。これらのビタミンは、疲労回復に効果があります。また、心臓病や脚気、口内炎の防止にも効き目があります。高血圧の人には、他の穀物にはない、「ルチン」という成分が、毛細血管を弾力性を保ち、出血を防ぐ働きがあり、ぜひお勧めです。
もう一つは、「コリン」です。酒飲みの害を少なくする食べ物として古くから知られている「そば」。その理由は「コリン」にあるといわれています。このコリンには、肝臓を保護し、肝臓に着く脂肪肝がたまるのを防ぐ働きがあります。また、尿中の食塩の排泄を促進する働きもあります。
そばを食べて、肝硬変や、動脈硬化の予防、また、高塩食による高血圧を予防しましょう。
 
成分 白米 小麦粉
中力
そば粉
全層粉
エネルギー 356 369 361
たんぱく質 6.8 9.7 12.1
脂質 1.3 2.1 3.1
糖質 75.5 73.4 68.5
繊維質 0.3 0.3 1.0
カルシウム 6 25 17
リン 140 95 400
0.5 1.1 2.8
ナトリウム 2 2 2
カリウム 110 130 410
ビタミンA 0 0 0
ビタミンB1 0.12 0.20 0.46
ビタミンB2 0.03 0.05 0.11
ナイアシン 1.4 1.4 4.5
ビタミンC 0 0 0
食塩 0 0 0
アミノ酸価 65 41 92
可食部100gあたり