第3話 引越しそば(hikkoshi-soba)

「引越しそば」は江戸時代中期から江戸を中心に行わ

れるようになった慣わしで、引越し先の家主、向う三軒

両隣に新しく引っ越してきた挨拶としてそばを配るよう

になったといわれています。それ以前には、小豆粥を

重箱に入れて配ったり、小豆をそのまま配ったり、煎り

豆を配ったりしていたとも言われています。

なぜ、小豆粥や煎り豆がそばに変わったのでしょうか

1784年ころの文献によると、

引っ越すくらいで小豆粥は、挨拶が丁重すぎるから、

そばにすれば、安く済む。というような記述があります。

庶民の本音といったところでしょうか?

引越しそばは、隣近所へは2つずつ、大家、管理人に

は5つというのが、決まりだったそうです。

そば(近く)に越してきたことに引っ掛けて、

「おそばに末長く」あるいは、

「細く長くお付き合いをよろしく」といったのは江戸っ子

の洒落で、そばが一番手軽で、安上がりだったことが

本当の理由でしょう。

江戸の中期頃には、それだけ「そば」が、江戸の庶民

生活に浸透していたという証拠ですね。

当店も、皆様の「おそばに末長く」よろしくお願いします