第1話 生そば(Kisoba)

 そば屋の店先ののれんや看板に「生そば」と書かれ

ていることがありますが、これは本来、つなぎを用いず

そば粉だけで練ったそばのこと を意味しました。江戸

初期のそばはすべてそば粉100%で打っていました

が、そば粉には粘り気がないので、つるつるした歯ざ

わりのそばを作るた め、江戸中期ころからつなぎに小

麦粉やヤマイモ、豆腐などを混ぜるよう になりました。

今も残っている「二八そば」という呼称は、つなぎとそ

ば粉の比率(2対8)を表しています。現在ではつなぎ

を入れるそばが主流になっているため、三七そば(つ

なぎ3割、そば粉7割)程度までは「生そば」とい うよう

になっています。